低いように見えて実はハードルが高い機能性表示

最終更新日 2024年2月14日 by jpdonline

機能性表示制度が出来てからしばらく時間が経過し、少しずつスーパー等の店頭に機能性表示がされている食品を目にすることが増えました。

しかし、トクホ(特定保健用食品)と比較すると、まだまだ一般消費者に馴染みが少ないのが現状です。
機能性表示は、消費者庁が定める安全性、機能性等についての書類を提出することにより、その商品・食品が持つ体への効果・効能を表示できる制度です。

従来はトクホであればしっかりとした国の審査が必要であったのに対して、機能性表示は消費者庁が定めた書式にのっとって科学的根拠や安全性などを示せば、機能性表示食品として商品の販売が可能です。

これにより、大企業から中小企業、小口の生産者が商品の魅力・機能をよりアピールできる、と考えられていました。
しかしながら、スタート直後に受理されたのは、ほとんどが大企業の申請によるもので、残念ながら中小企業、生産者からの申請が受理されたものはごく少数に留まっています。

特に、トクホでは表示することが出来なかった生鮮食品に関しても機能性表示であれば生鮮食品への表示が可能ですので、よりその機能・効果を消費者に伝えることが出来ると考えられていましたが、残念ながら十分ではありません。

この理由は、ともかく届出についてのハードルが高いという点が挙げられます。
効果の科学的根拠、食品の安全性、原材料情報、製造・品質情報、30を超える様々な添付資料や根拠を揃え、消費者庁に提出しなければなりません。

これは、様々な情報・ノウハウを持つ大企業でも簡単なことではなく、ましてや中小企業、生産者などの比較的規模が小さい機関で全てをやろうとしたら、かなり難しいです。

今後は、消費者に有益な情報をもたらすためにも、届出のハードルを下げつつも食品の安全性は確保する、効果の科学的根拠はきっちりと示してもらうなど、機能性表示制度が上手く行くためには、そのためのさらなる制度の整備が必要ではないでしょうか?

※参考:機能性表示届け出